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ハードウェアエンジニアリングの世界

電子機器の量産開発を通じて学んだことを書くブログ

部品の位置決め

3DCADを使うようになると、PCの画面の中で美しく形ができていて、量産ではこのモデリングした通りに出来上がると思ってしまいますよね。

でも、実際にはそんなことはできません。

なぜなら3DCADは

・ばらつきを表現できない

・実際の加工では相当難しい形状(例えば直角で曲げる等)で表現している。

・重量が考えられていない。

からです。

 つまりこの部分を頭の中で考え、補正を入れながらモデリングしなければならないのです。逆に全くこの補正をせずにモデリングをすると、モデリングと実物の出来に大きな差ができてしまいます。

 

モデリングをする中でしっかり補正を入れなければ、出来上がりのばらつきも大きくなります。考えられているかどうかは図面にも現れるので、結果同じ開発時間でも、エンジニアによって品質の差が格段に開くということが起こります。

 

では、実際にその補正について説明します。

よくあるケースがAの部品にBの部品を固定するという場合です。

AとBのアセンブリのばらつきを減らす=AとBの部品の関係性を極力一致させるということです。

このばらつきを減らすポイントは

 X軸Y軸Z軸方向、正負の両方向で固定が出来ているか

に限ります。

全方向で固定と言っても、すべての方向でネジ締めをするというわけではありません。

極力一致させることが大事なので、ほとんど動かないような構造を作ることが大事です。(完璧に一致させるのは相当難しいと思います。量産にならないです。)

 

お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、ばらつきを減らすためにはやはり部品自体もばらつきを減らす必要が出てきますね。(きになる方は図面の記事を読んでください。)

 

参考になればと1つ部品を描きました。

四角い基板です。

基板は筐体に固定する想定で四箇所ネジどめをします。

この時、基板のバラつきを極力へらし、固定するための1つの回答として1つ作りました。

f:id:norio_ikedo:20161108224414p:plain

 

説明すると、

右下の穴が基準穴となり、X軸、Y軸方向の固定をします

しかし1点だけでは回転してしまうため、Y軸方向の固定をするために左下の穴のY軸方向の幅を狭くしました。これでX軸、Y軸が決まりました。

基板なので、Z軸方向はネジを四箇所締めることで、しっかりと固定されます。

こうすれば確かに3方向でバラつきを減らして固定できていますね!

 

ベテラン設計者はこのことを当たり前のようにやっています、設計レビューの時に

"前後はここと、ここで固定して、左右はここと、ここ。そして上下はここと、ここで固定しています"

のように語ることができます。かっこいいです。

モデリングが一通りできた時、自分でこの部品はどうやって固定されているのか説明できるかチェックしてみましょう。

これがすらすらと言えないということは、そこがばらつきが出そうなポイントだと考えるのが良いかと思います。

 

今回は基板の例を挙げましたが、固定方法も部品同士の形状だったり、ネジだったり、いろいろな方法があると思います。

バシッと位置を決めができている設計をやりましょう!